レッドデータブック東京 はじめに
はじめに

 本ホームページは、東京都が2020年に公表した「東京都の保護上重要な野生生物種」(本土部)2020年度版~東京都レッドリスト~ 及び 2011年に公表した「東京都の保護上重要な野生生物種」(島しょ部)~東京都レッドリスト~2011年版の解説版である「東京都レッドデータブック2023」及び「レッドデータブック東京2014」をホームページ化したものです。
 このホームページはパソコンだけでなく、一部を除き、スマートフォン等の携帯端末機でも閲覧できますので、野外で生き物の情報を調べたい時などにもご活用いただけます。 レッドリスト改定、解説版の作成にあたっては多くの方々に御協力をいただきました。改めて深く感謝を申し上げます。

書籍版について

 東京都レッドデータブックは書籍版が販売されています。「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)解説版」および「東京都の保護上重要な野生生物種(島しょ部)解説版」は、都民情報ルーム(東京都庁第一本庁舎3階南側)でお買い求めいただくことができます。
 解説版には「選定・評価方法及び結果概要」や「自然環境の概要」などの解説が掲載されており、種の写真も大きく表示されています。内容が充実しており、体系立ててご覧いただけますので、よろしければぜひ冊子をお買い求めください。

本土部表紙
東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)解説版
A4判 全879頁 フルカラー (5,156.8円/冊税込)
島しょ部表紙
東京都の保護上重要な野生生物種(島しょ部)解説版
A4判 全636頁 フルカラー (1,661.0円/冊税込)


レッドリスト、レッドデータブックとは

 ある地域に生息・生育している動植物の数が、過去と比較して減少している場合、またはそれらの動植物の生息地・生育地が減少したり存続が危うくなったりした場合、その地域からいくつかの動植物が絶滅するおそれがあります。
 レッドリスト(Red List::RL)とは、そのような絶滅のおそれの高い野生生物の名前を掲載したリストです。また、レッドリストに掲載した動植物の生態や現状等について解説した図書を、レッドデータブック(Red Data Book:RDB)と言います。
 東京都は、最初のRLを1998年に、RDBを1998年に策定しました。その後、2010年にに本土部のRL、2011年に島しょ部のRLを改定し、2013年に本土部RDB、2014年年に島しょ部RDBを公表しています。さらに、本土部については、2021年に2度目のRL改定を行い、2023年にはこれらの一部見直しを行った上で、RDBを更新しました。
 本ホームページは書籍のRDBをパソコン等で閲覧可能にしたものです。

東京都版レッドリスト、レッドデータブックの役割

 東京都には、本土部においては東側の海岸、低地から、台地、丘陵地、2000m級の山岳を含む山地まで、島しょ部においては伊豆諸島から亜熱帯地域に含まれる小笠原諸島まで、多種多様な環境があります。
 このように東京都は多様な地域を有していることから、RL、RDBでは、本土部を4地域に分けるとともに、島しょ部は伊豆諸島と小笠原諸島に分けて、絶滅危惧のカテゴリー評価をしています。
 また、環境省でもRL、RDBを作成していますが、環境省のものは日本全国を対象範囲としており、都のRLは東京都を対象範囲としているため、同じ種であっても、環境省RLと東京都RLでは絶滅危惧のカテゴリーランクが異なるものがあります。
 東京都が独自にRL、RDBを作成することで、より地域の実状に応じた保全対策の実施を後押しすることが期待されます。
 本ホームページが、都内における保全活動や開発における絶滅危惧種保全対策などの際に、基礎資料として活用されれば幸いです。



協力者一覧

解説版を作成するに当たり、次の方々に御協力をいただきました(個人については50音順、敬称略)。
本土部2023(所属は令和4年度末時点)

解説版執筆者
1.植物
 新井二郎
元高尾自然科学博物館学芸員
 池田 博
東京大学総合研究博物館准教授
 内野秀重
八王子市長池公園園長
 大場秀章*
東京大学名誉教授
 奥田重俊
横浜国立大学名誉教授
 小林健人
八王子市長池公園副園長
 仙仁 径
多摩市文化振興財団
(パルテノン多摩)学芸員
 田畑伊織
奥多摩植物誌調査プロジェクト
 堀 清鷹
高知県立牧野植物園研究員
 御手洗望
奥多摩植物誌調査プロジェクト
 宮崎 卓
元相模原市立博物館資料調査員
2.藻類
 加藤 将*
新潟大学特任准教授
 北山太樹*
国立科学博物館研究主幹
3.哺乳類
 石井信夫*
東京女子大学名誉教授
 岩佐真宏
日本大学教授
 重昆達也
東京コウモリ研究会代表
 田村典子
森林総合研究所研究専門員
 三浦慎悟
早稲田大学名誉教授
 山崎晃司
東京農業大学教授
4.鳥類
 植田睦之
NPO法人バードリサーチ代表
 金井 裕*
日本野鳥の会参与
 川内 博
日本野鳥の会東京研究部長
 田畑伊織
かもしかの会東京代表
 御手洗望
青梅自然誌研究グループ
 守屋年史
NPO法人バードリサーチ
5.爬虫類
 坂田修一*
東京動物園協会
6.両生類
 草野 保*
元首都大学東京助教
 福山欣司*
慶応義塾大学教授
7.淡水魚類
 中島 淳
福岡県保健環境研究所専門研究員
 宮崎佑介*
近畿大学准教授
 脇谷量子郎
東京大学大気海洋研究所特任研究員
8.昆虫類
(1) トンボ目
 
 須田真一*
東京大学総合研究博物館研究事業協力者
(2) カマキリ目・バッタ目
 
 伊藤 元*
(株)地域環境計画
 高橋文昭
(株)環境トリニティ
(3) カメムシ目
 
 須田真一*
東京大学総合研究博物館研究事業協力者
(4) アミメカゲロウ目・ヘビトンボ目
 
 須田真一*
東京大学総合研究博物館研究事業協力者
(5) コウチュウ目
 
 亀澤 洋
(株)環境指標生物
 苅部治紀*
神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員
 菅谷和希
(株)環境指標生物
 雛倉正人
日本甲虫学会会員
 松原 豊
東京都本土部昆虫目録作成
プロジェクトメンバー
(6) ハチ目
 
 須田真一
東京大学総合研究博物館研究事業協力者
 高橋秀男*
日本昆虫分類学会会員
(7) ハエ目
 
 伊東憲正*
双翅目談話会会員
(8) チョウ目チョウ類
 
 矢後勝也*
東京大学総合研究博物館講師
(9) チョウ目ガ類
 
 岸田泰則*
日本蛾類学会会長
9.甲殻類
 武田正倫*
国立科学博物館名誉館員
10.クモ類
 小野展嗣*
国立科学博物館名誉研究員
11.貝類
 黒住耐二*
千葉県立中央博物館上席研究員

*:各分類群の総説執筆者(基本的には種別解説も担当しているが、植物は総説のみ執筆)
注) 昆虫類については、昆虫類全体の総説と目ごとの総説がある(昆虫総説執筆:須田真一)

写真提供などのご協力者
・「文献一覧」の分類ごとの一覧の末尾に記載しております。

島しょ部2014(所属は平成25年度末時点)

解説版執筆者
1.植物
 畔上能力
公益社団法人日本植物友の会理事
 池田 博
東京大学総合研究博物館准教授
 石橋正行
七島花の会神津島会員
 海老原淳
国立科学博物館研究員
 大場秀章
東京大学名誉教授
 奥田重俊
横浜国立大学名誉教授
 加藤英寿
首都大学東京理工学研究科助教
 上條隆志
筑波大学生命環境系教授
 佐橋紀男
東邦大学理学部 訪問教授
 八木正徳
東京都立墨田川高校教諭
2.哺乳類
 石井信夫
東京女子大学教授
 土屋公幸
株式会社応用生物特任研究員
3.鳥類
 金井 裕
公益財団法人日本野鳥の会参与
 川上和人
独立行政法人森林総合研究所野生動物研究領域鳥獣生態研究室主任研究員
 川内 博
公益財団法人日本野鳥の会東京幹事、日本野鳥の会東京副代表
 山本 裕
公益財団法人日本野鳥の会自然保護室チーフ
4.爬虫類
 長谷川雅美
東邦大学教授
5.魚類
 瀬能 宏
神奈川県立生命の星・地球博物館専門学芸員
6.昆虫類
(1)トンボ目
 
 苅部治紀
神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員
 須田真一
東京大学大学院農学生命科学研究科特任研究員
(2)バッタ目
 
 石川 均
日本直翅類学会会員
 伊藤 元
株式会社地域環境計画
 高橋耕司
神奈川昆虫談話会会員
(3)カメムシ目
 
 岸本年郎
一般財団法人自然環境研究センター上席研究員
 須田真一
東京大学大学院農学生命科学研究科特任研究員
 松本浩一
小笠原固有昆虫保全研究会 会員
(4)アミメカゲロウ目
 
 岸本年郎
一般財団法人自然環境研究センター上席研究員
(5)コウチュウ目
 
 苅部治紀
神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員
 川井信矢
日本甲虫学会会員
 岸本年郎
一般財団法人自然環境研究センター上席研究員
 須田真一
東京大学大学院農学生命科学研究科特任研究員
 田尾美野留
神奈川昆虫談話会 会員
 高桑正敏
神奈川県立生命の星・地球博物館名誉館員
 雛倉正人
日本甲虫学会会員
(6)ハチ目
 
 高橋秀男
日本昆虫学会会員
 森 英章
一般財団法人自然環境研究センター主任研究員
(7)ハエ目
 
 伊東憲正
株式会社地域環境計画
 上野隆平
独立行政法人国立環境研究所主任研究員
 倉橋 弘
国際双翅類研究所
 戸田正憲
北海道大学博物館資料部研究員名誉教授
(8)トビケラ目
 
 倉西良一
千葉県立中央博物館主任上席研究員
 佐竹 潔
独立行政法人国立環境研究所 主任研究員
(9)チョウ目チョウ類
 
 須田真一
東京大学大学院農学生命科学研究科特任研究員
(10)チョウ目ガ類
 
 岸田泰則
日本蛾類学会 会長
7.甲殻類
 奥野淳兒
千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員
 佐竹 潔
独立行政法人国立環境研究所主任研究員
 武田正倫
独立行政法人国立科学博物館名誉研究員
 布村 昇
日本土壌動物学会会員、富山県生物学会 顧問、金沢大学環日本海域環境研究センター臨海実験施設連携研究員
8.クモ類
 小野展嗣
独立行政法人国立科学博物館研究主幹
9.貝類
 黒住耐二
千葉県立中央博物館主任上席研究員

写真をご提供、または標本の撮影を許可いただいた方
畔上能力、石井信夫、石橋正行、石川均、石川忠、石田和男、石田賢也、石田光史、泉澤弘幸、市毛勝義、伊藤元、伊藤ふくお、上野隆平、内田正吉、内野秀重、浦島淳吉、海老原淳、江崎逸郎、小川信正、尾園暁、小野展嗣、勝山輝男、加藤昌一、加藤英寿、上條隆志、亀澤洋、川井信矢、川上和人、神戸崇、岸田泰則、岸本年郎、喜多英人、北野忠、北橋健一郎、木村清志、木村尚、倉橋弘、黒住耐二、慶野友和、向後裕介、小林修一、小檜山賢二、税所康正、桜井基計、佐々木明夫、佐々木哲朗、佐竹潔、鈴木寿之、鈴木亙、須田真一、田尾美野留、鷹野正次、高橋秀男、竹内久宜、武田正倫、田悟敏弘、谷川明男、丹下和仁、千葉聡、津田朋香、土屋公幸、寺尾博、登坂久雄、戸塚学、中島秀雄、仲條竜太、中野宏一郎、成瀬裕昭、長谷川道明、初芝伸吾、羽田義任、浜一朗、雛倉正人、日野正幸、深川正夫、藤井良造、藤澤侑典、藤田喜久、星野卓二、堀越和夫、本多郁夫、前之園唯史、槇原寛、松井雅之、松本浩一、丸山宗利、南俊夫、村井貴史、森英章、森正人、八木正徳、谷城勝弘、安永智秀、山田鉄也、湯浅健、和田慎一郎、和多田正義、和山亜耶、渡辺義昭、東京都レンジャー、Natural History Museum, London、Smithsonian Institution, National Museum of Natural History、エバーラスティングネイチャー、大阪府立大学、神奈川県立生命の星・地球博物館、京都大学総合博物館、九州大学農学部、国立科学博物館、森林総合研究所、首都大学東京、千葉県立中央博物館、美ら海水族館、天王寺動物園、東京大学総合研究博物館、東京大学小石川植物園、東京農業大学、日本産アリ類画像データベース、(公財)日本野鳥の会、農業環境技術研究所、北海道大学総合博物館、北海道大学農学部昆虫体系学教室、マリンワールド海の中道、山階鳥類研究所


大切にしたい、「生物多様性」

地球上には、様々な「自然」があり、そこに特有の「個性」を持つ生きものがいます。こうしたそれぞれの命がつながりあっていることを、「生物多様性」といいます。 動植物の絶滅が続き、「生物多様性」が失われることは、地球規模の生態系に重大な変化をもたらすおそれがあります。

生き物がいっぱい
いるね!
生き物がいっぱいいるね!
いろんなところに生き物がいるのよ
あれ?木や草が減っちゃった
虫が少なくなってきたよ
生き物がどんどん減ってきたよ!
あまり生き物がいないね...
生き物どうしは支え合っているから、ひとついなくなるとバランスが崩れてしまって、他の生き物もいなくなるかも知れないんだね。