クロツグミ Turdus cardis

スズメ目 ヒタキ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長21.5cm。雄成鳥は頭部から尾までの背面や翼、喉から胸までが暗灰色。体下面は白く、胸から脇にかけて黒斑がある。平地から山地までの樹林に生息し、昆虫類やミミズ類、植物の種子などを食べる。北海道、本州、四国、九州で夏鳥。都内では多摩地域の丘陵地や山地の自然林で、繁殖している。渡りの時期には、通過個体が平地の樹林でも見られる。東京都鳥類繁殖分布調査では1970年代から1990年代にかけてもほかの種と比べると減少度合いは低く、2010年代にかけてはやや増加していた。全国的にも記録が増加しており、森林の成熟とともに回復している可能性がある。
生存を脅かす要因
回復傾向にあるが、生息地は限られており、植林による自然林の伐採などが、本種の生存を脅かす要因になる。
特記事項
現存する生息環境を可能な限り保全することや、人工林を広葉樹林へ転換していくことが望ましい。
執筆者
植田睦之
練馬区 2019年
関連文献
植田睦之・佐藤望 (2021) 東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021. NPO法人 バードリサーチ: 177pp.
植田睦之・植村慎吾 (2021) 全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年. 鳥類繁殖分布調査会: 175pp.