クロツグミ Turdus cardis
スズメ目
ヒタキ科
- 種の特性と生息状況
- 体長21.5cm。雄成鳥は頭部から尾までの背面や翼、喉から胸までが暗灰色。体下面は白く、胸から脇にかけて黒斑がある。平地から山地までの樹林に生息し、昆虫類やミミズ類、植物の種子などを食べる。北海道、本州、四国、九州で夏鳥。都内では多摩地域の丘陵地や山地の自然林で、繁殖している。渡りの時期には、通過個体が平地の樹林でも見られる。東京都鳥類繁殖分布調査では1970年代から1990年代にかけてもほかの種と比べると減少度合いは低く、2010年代にかけてはやや増加していた。全国的にも記録が増加しており、森林の成熟とともに回復している可能性がある。
- 生存を脅かす要因
- 回復傾向にあるが、生息地は限られており、植林による自然林の伐採などが、本種の生存を脅かす要因になる。
- 特記事項
- 現存する生息環境を可能な限り保全することや、人工林を広葉樹林へ転換していくことが望ましい。
- 執筆者
- 植田睦之
- 関連文献
- 植田睦之・佐藤望 (2021) 東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021. NPO法人 バードリサーチ: 177pp.
植田睦之・植村慎吾 (2021) 全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年. 鳥類繁殖分布調査会: 175pp.