カヤキリ Pseudorhynchus japonicus

バッタ目 キリギリス科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬に分布する。体長(翅端まで)63~67mm。体は太く、緑色ないし褐色。顔面は黄色みがかる。頭頂から胸部の両側面に黄白色の細条があり、前翅発音器周辺まで延びる。触角鞭節下面は黒色。産卵器上片の上面は先端に向かって下側に湾曲する。卵越冬、年1化で夏~秋に成虫。オギ、ススキ、ヨシなど高茎イネ科草地に生息し、それらの草本の茎や穂を摂食する。♂は夕方から夜間にかけてそれらの草本の上部で「ジャーー・・・」と大きな声で鳴く。高茎イネ科草本の稈に産卵する。高度経済成長期以前は区部でも多く見られたが近年の記録はない。多摩部でも近年はごく限られた記録しかない。
生存を脅かす要因
高茎イネ科草本が繁茂した草原の開発が主な要因として挙げられる。
執筆者
伊藤元
©伊藤元
東京都外 2006年
関連文献
宇佐美均・大村信一・大脇真・川上洋一・杉村健一・武智 昭一・筒井謙・原島真二・森川清志 (2011) 文化財総合的把握モデル事業 生物調査 昆虫調査報告書 [2010]: 82–234. 
内田正吉 (2015) 東京都と埼玉県のカヤキリの記録. 埼玉動物研通信, (80): 41-52.
杉並区環境部環境課 (2020) 杉並区自然環境調査報告書(第7次): 227+163pp.
日本直翅類学会 編 (2016) 日本産直翅類標準図鑑. 学研プラス: 384pp.
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