ハグロソウ Peristrophe japonica var. subrotunda

被子植物 キツネノマゴ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
本州の関東地方以西、四国および九州に分布する多年草で、山麓の陰湿地に生育する。茎は高さ20~50cm。葉は対生、狭い卵形で長く尖る。枝先に5~15mmの花枝を出し、葉状の2個の苞の中に花を付ける。花期は9~10月。花は淡紫色。花冠は唇形で上唇は反り返り、基部に濃い色の紋がある。さく果は長さ1cm。都内では全地域に分布し、二次林、植林、緑地などの林床に生え、所によって群生するが、区部や北多摩地域での減少が著しい。
生存を脅かす要因
生育する樹林地の乾燥化や開発による樹林伐採、外来種の侵入などにより、生育環境が失われているものと推測される。林縁管理などに際し選択的な保全対策が必要である。
特記事項
野生生物による食害を防ぐ必要がある。
執筆者
奧田重俊
八王子市 2000年8月
関連文献
清瀬の自然を守る会(2010)清瀬の植物-清瀬の植物調査報告-. 清瀬市. 102pp.
杉並区(2006)杉並の注目動植物 レッドデータブックの実現に向けて. 杉並区環境清掃部環境課. 56pp.
八王子市市史編集専門部会自然部会 編(2016)新八王子市史自然調査報告書 八王子市動植物目録. 八王子市市史編さん室. 562pp.