アイナエ Mitrasacme pygmaea
被子植物
マチン科
- 種の特性と生息状況
- 本州、四国、九州および南西諸島に分布する一年草で、丘陵地の草原や芝地に生育する。高さ5~15cm。茎はごく繊細、下部に数対の葉が対生につく。葉身は卵形。花は枝先に数個、やや輪状に付く。花期は8~10月。花冠は白色。径約3mm。さく果は卵形。都内では区部、多摩部の丘陵地の日の当たる裸地や農道脇などに見られる。
- 生存を脅かす要因
- 生育環境は都市近郊の公園等の芝地から郊外の耕作地周辺までに及ぶが、いずれも定期的な草刈りが維持された低茎草地であり、地域的開発による自生地の消滅だけでなく、管理の停止による植生遷移の進行も本種の自生地激減の要因となったものと考えられる。
- 特記事項
- 本種は、植物体が小さいことから自生地が見逃され、都内全域の生育状況が十分に把握されていない可能性が高い。
- 執筆者
- 奧田重俊
- 関連文献
- 鎮座百年記念第二次明治神宮境内総合調査委員会 編(2021)鎮座百年記念第二次明治神宮境内総合調査報告書 第2報(2021). 明治神宮社務所. 318pp.
八王子市市史編集専門部会自然部会 編(2016)新八王子市史自然調査報告書 八王子市動植物目録. 八王子市市史編さん室. 562pp.