ヤマトタマムシ Chrysochroa fulgidissima fulgidissima

コウチュウ目 タマムシ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長25~40mm。背面は金属光沢を持つ美しい緑色で、上翅には一対の赤い筋を持つ。初夏から盛夏に出現し大木の梢を飛び回る。ケヤキ、エノキ、サクラ等の大木の枯れた部分に産卵し、幼虫は樹木の内部を食べて育つ。本州以南に分布し、東京都では低地から山地にかけて生息するが、区部では分布が限られる。
生存を脅かす要因
各種開発による樹林の縮小、幼虫が生息できる大木の消失などが主な要因と考えられる。
特記事項
美しい翅が奈良法隆寺の玉虫厨子の装飾材料として使われていることでも有名である。
執筆者
松原豊
関連文献
伊藤淳 (2012) 東京都稲城市のタマムシ科. 神奈川虫報, (177): 69-75.
岡田圭司・平野幸彦・新里達也 (2013) 明治神宮の甲虫類. 鎮座百年記念第二次明治神宮境内総合調査委員会 編
野村周平ほか (2014) 皇居において枯木および枯木積にみられる甲虫相とその個体数変動. 国立科学博物館専報, (50): 279-309.
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松原豊・雛倉正人 (2016) 8.昆虫類 コウチュウ目 COLEOPTERA. 八王子市市史編集専門部会自然部会 編. 八王子市動植物目録 新八王子市史自然調査報告書: 296-379. 八王子市市史編さん室.
松本和馬・槇原寛・栗原隆・後藤秀章・永野裕 (2014) 森林総合研究所多摩森林科学園の穿孔性甲虫類(鞘翅目ホソカミキリムシ科・カミキリムシ科・タマムシ科・キクイムシ科). 森林総合研究所研究報告, 13(4): 255-270.