ニホンスッポン Pelodiscus sinensis

カメ目 スッポン科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
甲板をもたず、吻端が突出していることから在来の他のカメと容易に識別できる。甲長30cm程度まで成長する。背甲は緑褐色、または灰褐色。幼体の腹甲は赤褐色で暗色の大きな斑紋を伴うが、成長とともに一様に白色または黄白色となる。四肢のみずかきは発達する。貝、甲殻類、昆虫、魚類などを捕食し、肉食傾向が強いが、植物も食べる。日本では本州以南に分布するが、琉球列島のものは人為的に持ち込まれたと考えられている。河川、湖沼などに生息し、産卵時以外は陸上を移動することは少ない。都内では多摩地域でも区部でも見つかる。
生存を脅かす要因
森林伐採、河川開発などの各種開発による生息場所、餌生物の減少などが生存を脅かす要因となっている。
特記事項
本種は食用として古くから養殖され、外来起源の個体が国内に定着し、在来個体群と交雑している可能性が示唆されている。そのため、都内で見つかる本種についても、注意が必要である。
執筆者
坂田修一
三鷹市 2018年
関連文献
関慎太郎 (2016) 野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第2版. 緑書房: 216pp.
日本爬虫両棲類学会 編 (2021) 新日本両生爬虫類図鑑. サンライズ出版: 234pp.