タカオヒゴタイ Saussurea sinuatoides

被子植物 キク科
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種の特性と生息状況
本州西部、山梨県に分布する多年草で、落葉樹林や各種二次林の縁に生育する。茎は高さ35~60cm。根出葉は開花時にあるが、ときに枯れる。葉は卵形で急に鋭尖頭、基部は心形で、縁は大きく深く湾入し、薄い。花期は9~10月。頭花は総状またはゆるい散房状につき、径2cmほどで、基部に線形の苞がつく。総苞は鐘形で密にくも毛がある。総苞の外片は披針形で長く、中片とともに反り返る。都内では南多摩の丘陵地から西多摩の山地に分布する。都内に見られるトウヒレン類の中では比較的生育地が多い。
生存を脅かす要因
都市近郊の自生地の多くは地域開発により失われ、保全緑地や自然保護地域等では、二次林の管理の放棄などにより、生育条件が不適となり、衰退した。
特記事項
日本固有種。フォッサマグナ要素の植物である。
執筆者
奧田重俊
八王子市 2012年10月24日
関連文献
飯泉優・曾根伸典(1982)青梅市の植物. 青梅市立郷土博物館 編. 青梅市文化財調査報告書 9 青梅市の自然Ⅱ[動物・植物編1]: 3-98. 青梅市教育委員会.
鈴木和雄(1984)奥多摩植物目録. 東京都高尾自然科学博物館研究報告, 12: 1-48.
鈴木和雄(1986)東京都のトウヒレン類. 東京都の自然, 12: 1-4. 東京都高尾自然科学博物館.
多摩市文化振興財団 編(2004)多摩市の植物目録. パルテノン多摩資料叢書1. 84pp.
八王子市市史編集専門部会自然部会 編(2016)新八王子市史自然調査報告書 八王子市動植物目録. 八王子市市史編さん室. 562pp.