コガネグモ Argiope amoena

クモ目 コガネグモ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長♀ 20〜30 mm、♂ 5~7 mm。8眼、3爪を有し、書肺と気管系を併有する。腹部背面に黄色と黒色の太い横縞模様があり、ひじょうに目立つ種である。平地から山地の自然環境や里山に生息し、草原や林縁の下草、河川や池沼、田畑の周囲にあるいわゆる藪の空間の低い位置に大きい円網を張る。本州、四国、九州、南西諸島(海外では台湾、中国、韓国)に広く分布する。
生存を脅かす要因
各種開発(草地開発、観光開発等、市街地開発)、圃場整備、不適切な環境管理。とくに過剰な農薬散布による餌昆虫の減少、道路脇での除草剤使用、都市緑地での景観重視による草刈り、野焼き。
特記事項
生息場所が一般にも目につきやすい場所であり、よく知られた種であるので、里山や都市の緑地における保全活動の指標種として役立つ。とくに産卵期及び幼虫の分散期(夏〜秋季)には注意を払いたい。
執筆者
小野展嗣
千代田区 2012年
関連文献
小野展嗣 (2009) 日本産クモ類. 東海大学出版会: 738pp.
小野展嗣・緒方清人 (2018) 日本産クモ類生態図鑑. 東海大学出版部: 714pp.
萱嶋泉 (1966) 三多摩地方の蜘蛛の研究(東京都). 国立音楽大学刊: 79pp + 6pls.