キジ Phasianus colchicus

キジ目 キジ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長雄80cm、雌60cm。雄成鳥は顔の皮膚が裸出して赤く、胸、腹は緑色光沢がある。平地や山地の草地、耕作地、河原などに生息し、地表で植物の種子や昆虫類、クモ類、土壌動物などを食べる。本州、四国、九州で留鳥。自然分布のほかに北海道や対馬、南西諸島、伊豆諸島に亜種コウライキジや亜種不明のキジが放鳥され、定着している。都内では河川敷、平地や丘陵地の耕作地、造成地の草地に生息する。草丈の高い草地が多い公園でも見られることがある。
生存を脅かす要因
農地や丘陵地の宅地化や、採草地の放棄による樹林化に伴う草地環境の減少が、本種の生存を脅かす要因である。また、狩猟鳥の放鳥事業による遺伝子のかく乱や、犬・猫・アライグマなどにより卵や雛が捕食されることも大きな要因であると考えられる。
特記事項
生息場所となる草地環境を可能な限り保全することが望ましい。狩猟鳥の放鳥事業を行う場合、放鳥個体は都内の個体群を増殖させたものを用いるなど留意する必要がある。また、必要に応じて犬・猫・アライグマなどの増加を防止する対策を講じることが望ましい。
執筆者
植田睦之
関連文献
植田睦之・佐藤望 (2021) 東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021. NPO法人 バードリサーチ: 177pp.
植田睦之・植村慎吾 (2021) 全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年. 鳥類繁殖分布調査会: 175pp.
東京都環境保全局自然保護部緑化推進室 (1998) 東京都鳥類繁殖状況調査報告書. 東京都環境保全局: 108pp.