オオナンバンギセル Aeginetia sinensis

被子植物 ハマウツボ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
本州、四国、九州に分布する一年草で、丘陵地から山地の日の当たる草地に生育する。ススキやノガリヤスなどのイネ科植物の根に寄生する。茎はごく短い。花柄は鱗片葉から立ち上がり、高さ20~30cm。萼は長さ3~5cmで先端は鈍い。花期は7~9月。花は横を向き、紅紫色。花冠は筒状で、先は5裂し、裂片には鋸歯がある。さく果は卵形で微少な種子が多数ある。都内では北多摩では情報不足、南多摩から西多摩の低山以上の地域に散見されるが、稀となっている。
生存を脅かす要因
かつて低地に存在していた草刈り地や林間の開放地などに自生していたが、管理の停止や樹林化などによる草地の減少により、山地に局所的に退行したものと考えられる。
執筆者
奧田重俊
八王子市 1990年7月8日
関連文献
飯泉優・曾根伸典(1982)青梅市の植物. 青梅市立郷土博物館 編. 青梅市文化財調査報告書 9 青梅市の自然Ⅱ[動物・植物編1]: 3-98. 青梅市教育委員会.
鈴木和雄(1984)奥多摩植物目録. 東京都高尾自然科学博物館研究報告, 12: 1-48.
八王子市市史編集専門部会自然部会 編(2016)新八王子市史自然調査報告書 八王子市動植物目録. 八王子市市史編さん室. 562pp.
檜山庫三(1965)武蔵野の植物. 井上書店. 290pp.