オオアメンボ Aquarius elongatus

カメムシ目 アメンボ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長19~27mm。日本産アメンボ科の最大種。大きさから他種との区別は容易。平地から低山地の緩やかな流れや池沼に生息する。適度に樹陰のある比較的冷涼な水質の良い環境を好むようである。本州から九州にかけて分布する。都内では区部から多摩部にかけて記録されている。
生存を脅かす要因
主に土地開発。河川改修、湧水の不安定化や枯渇、生活排水の流入などによる水質汚染の影響が大きい。近年頻発する局地豪雨などによる大規模出水の影響も受けている。
特記事項
区部では主に崖線沿いの湧水地に現存しているが局地的で個体数も少ない。多摩部の丘陵地から低山地の水路や小河川では各所で見られるが、環境変化には敏感なようであり安定した生息地は限られてきているため注意が必要である。
執筆者
須田真一
2009年
関連文献
岸由二・野村昭夫・長野晃子・鶴見川源流ネットワーク (2003) 鶴見川源流梅木窪の魚類と水生生物の現状と回復の希望. 慶應義塾大学日吉紀要. 自然科学, (33): 37-48.
里山昆虫研究会(1996)多摩川中流域の丘陵部における里山昆虫の研究 <資料編>. 里山昆虫研究会: 182pp.
杉並区環境部環境課 (2015) 杉並区自然環境調査報告書(第6次): 201+225pp.
杉並区環境部環境課 (2020) 杉並区自然環境調査報告書(第7次): 227+163pp.
鎮座百年記念第二次明治神宮境内総合調査委員会 編 (2013) 鎮座百年記念第二次明治神宮境内総合調査報告書. 明治神宮社務所: 510pp.
友国雅章 (2005) 赤坂御用地と常盤松御用邸の異翅半翅類(昆虫綱). 国立科学博物館専報, (39):397-408.