クロベンケイガニ

  Chiromantes dehaani
エビ目(十脚目)
ベンケイガニ科
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区部 北多摩 南多摩 西多摩 本土部 伊豆 小笠原 環境省
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形態・生態
甲幅約3.5cm。甲の輪郭は四角形で、背面は前後に弱く湾曲する。甲域は深い溝で明瞭に分けられ、甲の側縁に近い鰓域上には平行な斜めの条線が多数ある。眼窩外歯は前方を向いて鋭く尖るが、甲の左右の側縁に切れ込みはない。はさみ脚は左右とも大きく、同形同大。各節は顆粒で密に覆われる。歩脚は太く長い。河口の水域周辺を中心に生息する。
分布の概要
秋田および岩手から九州までの日本海側・太平洋側両沿岸、南西諸島
都における生育・生息環境
東京湾沿岸の河口域に生息する。都心に近い汚れた中流域まで河川を遡上する。
都における生存に対する脅威や保全上の留意点
水質汚染に強いことから“クロベンケイガニさえすめない”極度な汚染の指標となる可能性がある。河川の水質汚染の影響を受ける。
関連文献
三宅貞祥, 1983. 原色日本大型甲殻類図鑑 (II). 保育社. viii + 277 pp.
酒井恒, 1976. 日本産蟹類.講談社. xxix + 773 pp. (英文), 461 pp. (和文), 16 pp. + 251 pls. (図版).
留意種とした理由
区部・本土部:河川の流軸に沿って遡上し、水質の汚染にも比較的強い。過度の汚染の指標となるため。
執筆者
武田正倫