コウシュウヒゴタイ Saussurea amabilis

被子植物 キク科
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種の特性と生息状況
本州の関東西部、山梨県および、四国に分布する多年草で、海抜1500m以上の山地の岩場に生育する。茎は高さ40~60cm。根出葉は開花時にも生き残り、長柄があり、葉身は長楕円形から卵形、鋭尖頭で基部はほこ形、長さ8~21cm、表面は緑色で、裏面は青白色。花期は8~10月。花は1~4個の頭花をつける。総苞は鐘形で長さ17mm、総苞片は6列、草質で先は鋭尖形、中ほどから開出する。都内では奥多摩地方の石灰岩地にのみ見られる。
生存を脅かす要因
西多摩においては本来、自生地が局限されていた。加えて、森林植生の組成の変化やシカ食害、園芸目的による採取などにより、個体数を減じているものと考えられる。自生地においては、シカ対策などを検討する必要がある。
特記事項
日本固有種である。
執筆者
奧田重俊
奥多摩町 1989年9月
関連文献
鈴木和雄(1986)東京都のトウヒレン類. 東京都の自然, 12: 1-4. 東京都高尾自然科学博物館.
東京都高尾自然科学博物館 編(1980)鷹巣山植物目録. 29pp.
本田正次・九里聰雄・鈴木重隆・飯泉優(1968)奥多摩地区の植物. 西多摩文化財総合調査報告第2分冊 東京都文化財調査報告書, 20: 205-229. 東京都教育委員会.