コアトワアオゴミムシ Chlaenius hamifer
コウチュウ目 オサムシ科- 種の特性と生息状況
- 体長11.8~12.5mm。南方系のアオゴミムシ類の一種で東南アジアに広く分布する。アトワアオゴミムシChlaenius virguliferに似るが、小型で、頭胸部は緑銅光沢が強く、翅端紋が発達する傾向が強い。平野部の水田や河川敷の湿地環境、湿潤な草原に生息する。芝地のような低茎草地に生息するとの情報もある。灯火に飛来する。国内では、本州、四国、九州、琉球に分布。関東平野が北限域と考えられており、全国的には少ない種のようだが、関東平野からの記録は比較的多い。東京都からの環境調査による確認としては、荒川河川敷、多摩川水系周辺のほか、葛飾区の水元公園、目黒区、八王子市があるが、再検証できる標本が残されているかは不明である。江戸川区の 葛西臨海公園からは、ごく最近の記録もある。
- 生存を脅かす要因
- 湖沼、河川、湿地、草地開発にともなう湿地環境の減少、消失、変質。圃場整備による水田と周辺環境の画一化。水質汚濁による水辺環境の悪化。管理放棄、遷移進行による湿地の乾燥化。
- 執筆者
- 亀澤洋
- 協力者
- 内田大貴
- 関連文献
- 香川理威・伊藤昇・前藤薫 (2008) 小スケールのモザイク植生で構成される農地景観における歩行虫類の種構成. 昆蟲(ニューシリーズ), 11(2): 75-84.
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