コアシダカグモ Sinopoda forcipata

クモ目 アシダカグモ科
種の特性と生息状況
体長♀ 18〜25 mm、♂ 15~20 mm。8眼、2爪を有し、1対の書肺と気管系を併有する。全体に褐色ないし黒褐色で、背甲及び腹部に黒色及び淡色の斑紋がある。野外の森林内においては、外来種のアシダカグモとの区別は容易ではない。平地〜低山地の樹林に生息し、狩猟性で、昼間は暗所に潜み、夜間獲物を待ち伏せる。本州、四国、九州(海外では中国)に分布する。
生存を脅かす要因
各種開発(観光開発等、市街地開発)、森林伐採、とくに自然林、人工林の大規模な伐採、乾燥化、里山の樹林における過度の環境改変。外来種(アシダカグモ)との競合。
特記事項
都市近郊の樹林では、一定の広さと高木の密度、湿度の保持が必要である。かつては市街地のみで見られた外来種のアシダカグモが森林環境へも進出しており、競合により本種の生態的地位を奪う可能性がある。
執筆者
小野展嗣
2011年
関連文献
小野展嗣 (2009) 日本産クモ類. 東海大学出版会: 738pp.
小野展嗣・緒方清人 (2018) 日本産クモ類生態図鑑. 東海大学出版部: 714pp.