カイツブリ Tachybaptus ruficollis

カイツブリ目 カイツブリ科
2013年度版を参照する
種の特性と生息状況
体長26㎝。雌雄同色で全身茶褐色。日本産カイツブリ科では最小種で、飛ぶことはあまり得意でない。北海道で夏鳥、本州以南では留鳥。水中にもぐり、小魚や水生昆虫・甲殻類などを捕る。比較的開けた水面を好み、池、川、湖、海岸などに生息し、水面に浮き巣を作り繁殖する。ときに人工的な調整池でも営巣することがあり、西多摩での繁殖記録が増えている。都心部から丘陵地の水辺で広く繁殖していて、東京湾岸の水辺でも繁殖例が見られている。
生存を脅かす要因
生息・繁殖に関しては、食物となる水生動物の量の多少が大きな問題で、水質の悪化による水生生物の生育不良とともに、ブラックバス、ミシシッピアカミミガメなどの外来動物による小魚などの捕食が直接関係する。また、営巣場所となる岸辺の水草の生育悪化なども影響する。市街地の池などでは、岸辺に近いところで営巣する場合も多く、散歩する人や犬、子育てのようすを撮るカメラマンなども繁殖に悪影響を与える。
特記事項
通常の繁殖期外の冬期に繁殖する事例が見られる。
執筆者
川内博
町田市 2020年
関連文献
植田睦之・佐藤望 (2021) 東京都鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021. NPO法人 バードリサーチ: 177pp.
関根常貴 (2014) おくたまのとり・マイ・フィールドノートから カイツブリ. 多摩の鳥, No.219. 日本野鳥の会奥多摩支部.