ウラジロウコギ Eleutherococcus hypoleucus

被子植物 ウコギ科
種の特性と生息状況
本州(福島県尾瀬沼以南)、四国、九州(熊本県五家荘以北)に分布する落葉低木。高さ1.5〜3m。枝に針状の刺がある。葉は互生、掌状複葉で小葉は5個、長さ7〜15cm、幅2.5〜5cmの倒卵状長楕円形で、縁に鋭鋸歯がある。表面は無毛、裏面は粉白色。花期は7〜8月、枝先に散形花序を2〜3個出し、緑白色の小さな花をつける。液果は直径約6mm、扁平な球形、10〜11月に黒熟する。山地の林内、とくに石灰岩地に多い。都内では西多摩の石灰岩地に極めて稀に生育する。
生存を脅かす要因
森林伐採、石灰採掘、基質・基物の減少および消失、局所分布。生育環境は石灰岩地などの特殊な立地にあり、石灰採掘や自生地の崩落、山林の改変などによる生育環境の変化が本種の生存を脅かす主な要因であると考えられる。
特記事項
日本固有種。
執筆者
田畑伊織
田畑伊織
奥多摩町 2019年9月1日
関連文献
吉澤健・中村武久・桝田信彌・端山重男(1985)東京農業大学奥多摩演習林のフロラに関する研究. 東京農大農学集報, 29(4): 300-316.